突如襲った難病の記録 第0章 入院費・治療費・入院期間・完治までの期間等のあらまし
寝起きで手足に痺れ(麻痺)を感じたらすぐに病院へ行きましょう
当ルポは管理人(以下ルポ主とする)がギランバレー症候群にかかり入院し退院し復活するまでの実体験を5つの記事に分けて投稿する。(予定)
もし万が一この記事を読んでいるあなたが、「足 しびれ」等で検索してこのページに辿り着いたのならば今すぐに救急車を呼ぶことを強く勧める。
第0章では、ギランバレー症候群や入院生活の概要と、用語解説、プチ情報を記載する。
飛ばして第1章から読み初めても問題は無い。
当ルポの内容は一切ノンフィクションである。
ルポ主は医療の専門家ではないため、記事中の説明や見解に誤りがある可能性もある。
治療等にあたっては、必ず主治医の指示にしたがって判断されるよう願う。
記事内に間違いを発見した場合、または現在闘病されている方やご家族、関係者等で質問や相談等がある方はコメントまたはInstagramからお問い合わせいただきたい。
ギランバレー症候群について
ギランバレー症候群とは噛み砕いて言うと、ウイルス感染をきっかけとして、抗体が誤って自己の神経を攻撃してしまう病気である。
原因となるウイルスはカンピロバクターウイルス、コロナウイルス、インフルエンザウイルス等。
鶏(カンピロバクターウイルス)が多いが、近年ではワクチンの影響で発症する方もいる模様。
おそらくルポ主の場合もカンピロバクターウイルスである。
症状としては感染症の症状から1~3週間後に手足に力が入らなくなる、顔面麻痺、食事が飲み込めない等の神経障害が出る。
10万人あたり1~2人ほどが発症し、老若男女国籍人種地域を問わず罹患する可能性がある。
(やや20~30代男性が多い)
発症から4週間以内に症状のピークを迎える。(ルポ主の場合は3~4日ほどとピークは早かった)
罹患者の約1%が死亡し、20%は後遺症が残る。
発症
ルポ主の場合は発症の前駆症状として下痢、吐き気、腹痛、頭痛があった。
詳細は発症から入院編の記事を参照していただきたい。
↑の記事には書いていないのだが、発症の3,4日前くらいから、食事の際に一口目の味がおかしいということがあった。
朝に食べるヨーグルトの一口目、夜に飲むビールの一口目が、いつもと違う味がしたのだ。
入院後に主治医にこれもギランバレー症候群の前兆なのか聞いてみたが、その影響で味覚の神経に障害が出ていた可能性は大いにあるとのことだった。
ちなみに、発症の前日か2日前かは定かではないが、いつになくビールが効いて、350ml缶の半分くらいで酔ってしまった。(いつもは500ml缶は余裕で飲める)
また、鼻水が出ているわけでもないのに、鼻の奥の粘膜が猛烈にヒリヒリしていた。
これに関してはギランバレー症候群との関連性は不明とのことだった。
診断
診察は基本的に(脳)神経内科になる。
近くに(脳)神経内科の医院が無い場合は(脳)神経外科や内科でも問題は無いと思われる。
前駆症状や現状から大まかな予想をつけ、血液検査や髄液検査、筋電図検査等で確定診断をする。
治療
治療は基本的には入院となる。
自然治癒は無いと思ってよい。
治療法はいくつかあるが、昨今では免疫グロブリン療法という点滴による治療を早急に開始することが定石だそうだ。
ルポ主の場合も免疫グロブリン療法だった。
治療体制
治療に当たっては主治医、担当医、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士という各専門職がサポートしてくれる。
当ルポでは表記統一のため会話以外では医療スタッフにはさん付けしないものとする。
(○看護師 ×看護師さん 等)
- 主治医 医師
- 担当医 研修医
- 看護師 身の回りの世話等
- 理学療法士(PT) 立つ・座る等の基本的動作のリハビリ
- 作業療法士(OT) 箸を持つ・物をつかむ等の応用的動作のリハビリ
- 言語聴覚士(ST) 話す・嚥下等の首から上に関することのリハビリ
基本的には看護師が一日中面倒を見てくれる。
看護師は別名[白衣の天使]とも言うが、もはや神である。
自分が辛い時に一生懸命になんでも助けてくれるので、本当に感謝と尊敬の念でいっぱいになる。
これは入院したことのある人なら皆共通の思いだと思う。
マスクをしている影響もあって全員美男美女に見えてくる。
朝一の体温測定に始まり、一日に3回ほど、感覚障害が無いかの確認と、握力の確認、指折りができるかどうかの確認をされる。
救急はしんどいからか男性看護師が多かったように思う。
やはり筋力の違いか、諸々の補助に力強さがあり、安定感はかなり違いがあるように感じた。
救急病棟から移った先の一般病棟の脳神経と消化器の患者が入院するフロアでは約50人ほど看護師がいるがほとんどが女性だった。
日替わりで担当が変わるのだが、入院日数が長くなるにつれて、看護師間の序列や人間関係をだんだんと把握できてきて、中々面白かった。
主治医は午前中の適当な時間に状態を伺いに来る。
ここでも握力や指折り確認をする。
しばらくしてから担当医が来て、主治医と同じことをする。
基本的に担当医に何か質問しても主治医に聞いてくださいというような応答なので、あくまで研修医の経験のために回復過程を見せているような感じだった。
理学療法士は脚のリハビリがメインで、今回は立ったり座ったりや、歩行器や松葉杖の使い方等の基本的動作のリハビリ指導をする。
作業療法士は手のリハビリがメインで、今回は物をつかむ、箸を持つ、文字を書く等の応用的動作のリハビリ指導をする。
言語聴覚士は、話す、食べる、飲み込む等に関するリハビリがメインで、今回は飲み込みと顔のリハビリ指導をする。
上記に加えて、看護助手とボランティアがいて、病院内の車椅子での送迎等をしてくれる。
入院期間と費用
ルポ主の場合は現在もリハビリ中ではあるが期間と費用は下記の通り。
- 入院期間 1か月
- 職場復帰まで 6か月
- 完治まで 現在もリハビリ中
- 入院費 221,698円
- 総治療費 約30万円(現在も通院中)
入院期間や治療期間、職場復帰までに要する期間は症状がどこまで進行したかによるところが大きい。
軽症者(軽い手の痺れのみ等)の場合は2週間ほどで退院し、1か月もかからずに職場復帰できる場合もあるそうだが、重症者(呼吸器に障害が出て人工呼吸器を着用等)の場合は1~2年経っても歩行に障害がある場合もある。
また、入院期間と一口に言っても[治療のための入院]と[リハビリのための入院]は違う。
ルポ主の場合は中程度で、詳細は記事を読んでいただくとわかるが、1か月入院治療し、自宅で生活できるまで回復し退院。
具体的には松葉杖があれば歩行できる状態で、食事、排泄、衣類の着脱ができる状態である。
その後は自宅で5か月リハビリし、完全ではないがある程度歩行に問題が無くなってから職場に復帰した。
ただし、まだ回復は完全ではなく、握力は10㎏にも満たず、歩けはするが走れはしない。
現在もリハビリ中。(通院は月1回)
発症から1か月経ち退院するときに、本来であればリハビリ専門病院への転院(通称リハ転)を勧められたのだが、費用の面から断念し、自宅でリハビリとした。
医療スタッフへの聞き取りや個人的な感覚では一般的には、
- 入院治療 2週間~2か月
- 職場復帰 1か月~半年
- 完治 半年~2年
- 費用 20~40万ほど
くらいのパターンが多いのかと感じた。
当然入院期間が長引くほど費用は高額になる。
罹患されている方は、入院期間の目途を主治医とリハビリ専門職に聞き、それを目安にクラーク(医療事務)に費用面の相談をすればおおよその予想を立てることが可能かと思う。
難病指定と高額療養費と傷病手当
ギランバレー症候群は難病法指定の病気ではない。
したがって、難病医療費助成制度の対象外となる。
ただし、難治性疾患克服研究事業の指定疾患にはなっており、一般的には難病と言っても差し支えないだろう。
治療費の補助という面では健康保険の高額療養費を使うことになる。
高額療養費とは端的に言うと1日~末日の医療費が最大でも8,9万円くらいになる制度である。
金額は人により増減あり、高所得者は3倍くらいかかるし、低所得者はもっと少ない。
詳細は加入している健康保険の窓口に問い合わせるかクラークに確認を。
また、仕事を休んでいる場合は健康保険の傷病手当金制度を利用できる。
おそらく、入院当初は有給休暇が残っていればそちらを利用するだろうが、有給休暇が無くなった場合、または無い場合はこちらの制度を利用すれば給料の2/3が支給される。
当然だが有給を利用している間は対象外となり二重取りはできない。
この制度の注意点としては事前申請ができないことである。
入院してあと3か月くらいは復帰できないという見通しだったとしても、休業期間が経過後の申請となる。
たとえば1月1日に入院して2月末まで入院という診断がおりていたとしても、傷病手当の申請は3月1日の職場復帰後の申請になるということである。
ただし、経過していれば、小出しで申請は可能なため、2月1日の時点で1月末までの傷病手当を申請するというようなことは可能である。
申請に際しては、職場に出勤簿と賃金台帳と支給申請書、主治医に支給申請書を貰う必要がある。
主治医に記入してもらう支給申請書は診断書とは違い、各健康保険で書式が決まっているので、加入している健康保険の窓口にお問い合わせを。
治療に際してあってよかったもの
日記
小マシなパジャマ
クロックス
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イヤホン
耳栓
めぐリズム
低周波治療器
ユンケル
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